トロイ遺跡 (世界遺産)

ドイツ人シュリーマンの発掘した、ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩"イリアス"にでてくるというトロイの木馬で有名な遺跡。城壁と堀などがわずかに復元されているだけで、小さな建物に展示されているのは、発掘状況の簡単な説明だけでした。
展示すべきものがないのは、そもそもシュリーマンの発掘に問題があったといわれている。ここの都市遺跡は、5,000年前からの9層に及ぶ重層的な遺跡であるが、シュリーマンはひたすら堀り抜いて、第2層に達したところで、そこがトロイだと決め込んだ。発掘を止めたのは、「プリアム王の財宝」を見つけたからだとも言われている。これらの財宝はすべて妻に贈ったそうだ。シュリーマンの妻が写真に撮った財宝の写真があるだけで、この遺跡からの出土品の行方はわからないという。今の常識では、盗掘者の行為であるが、シュリーマンの発掘が神話と考古学を結びつけたことも事実である。トルコでは子供に後片付けをさせるとき母親は「シュリーマンのようにしてはだめよ」と言うそうだ。
 トロイ第1層の年代はBC3000〜2500、第2層はBC2500〜2200、第3,4,5層はBC2200〜1800、第6層はBC1800〜1275で、これがトロイ最盛期で最後に地震によって崩壊している。トロイ戦争による崩壊の跡は第7層(BC1275〜1240)中のBC1200年頃と言われている。トロイアの最後は第9層(BC350〜AD400)で、ヘレニズムからローマ都市の時代である。

劇場跡。

遺跡自体の規模は小さく、石の残骸が多い。これは古代の井戸か?

説明をしている現地ガイドのイケールさん。

観光用の木馬は修理中であった。